やまきのぶお-八巻信雄
- 連日のニュースで関連情報が出てきているが、不思議な事件と言うより、病院側が様々な事件を放置したため最悪の事態に至っていることが明白。神奈川県警のいつものようなのんびりした対応も最低だろう。神奈川県民には神奈川県警問題と言う困った存在が大きい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092502000120.html
横浜・患者死亡 無施錠で点滴保管 近くに界面活性剤製品
2016年9月25日 朝刊
報道陣の取材に応じ、頭を下げる大口病院の高橋洋一院長(右)ら=24日、横浜市神奈川区で
横浜市神奈川区の大口病院で点滴に異物が混入され、入院患者の八巻(やまき)信雄さん(88)が中毒死した事件で、点滴袋が誰でも手に取れる状態で保管され、近くに洗剤や漂白剤などに使われる界面活性剤を含む製品が置かれていたことが捜査関係者への取材で分かった。八巻さんの遺体や点滴袋からは界面活性剤の成分が検出されており、県警は保管中に何者かが袋に混入させた疑いがあるとみている。
県警によると、点滴袋は患者が一日に投与する分が病院の薬剤部から配られ、八巻さんが入院していた四階ではナースステーションのテーブルや洗面台の上に保管。ステーションは無施錠で、当直時間(午後四時~翌午前九時)には当直の看護師二人が患者の部屋の巡回で不在となることもあったという。
病院は午後九時以降、出入り口を施錠しており、事件当夜、不審な人物の出入りはなかったという。八巻さんの点滴袋には目立った穴や破れはなかったが、担当する女性看護師が、八巻さんの死亡後、通常は泡立つことがない点滴の中の液に微量の気泡があることに気付いたという。
八巻さんと同じ四階に入院していた患者のうち、十八日には、点滴を受けていた八十代の男性二人が、八巻さんが死亡する約二時間前の二十日未明には、点滴を受けていない九十代の女性が死亡。三人はいずれも病死と診断されたが、県警は司法解剖して事件性の有無を調べるとともに、二人の点滴袋に異物が混入していなかったか調べている。
一方、病院は八月に病院スタッフが、漂白剤のようなものが入れられた飲料を飲んだと明らかにした。飲料のペットボトルの上部には注射針程度の穴が開けられていたという。
四月には看護師のエプロンが切り裂かれ、六月にも患者一人のカルテ数枚がなくなり、その後一部が看護部長の机で見つかった。いずれも四階で起きていたが、病院は「院内の出来事」と受け止めていた。
これらのトラブルについて、七月と八月に横浜市に内部関係者からとみられる情報提供のメールがあったほか、八巻さんが死亡した直後の二十日昼ごろにも同一人物から「点滴に漂白剤らしきものが混入されたようです」とメールがあったという。
◆高濃度 死に至ることも
界面活性剤は合成洗剤など身近な製品や、病院で日常的に保管している消毒液にも用いられている。中毒学が専門の内藤裕史筑波大名誉教授は「高い濃度だと毒性も高く、死に至ることもある」と説明する。
界面活性剤とは物質と物質の「境界面」で働く成分の総称。その分子構造の中に、水になじみやすい「親水基」と、油になじみやすい「親油基」の双方を持つ。洗剤やシャンプーは、油分の多い汚れの周りを親油基が取り囲むようにくっつき、布や食器、髪の毛などから引きはがす。
内藤名誉教授によると、こうした汚れを落とす作用に加え、界面活性剤には、細菌のタンパク質を腐食して殺す消毒作用もある。シャンプーが目に入ると痛いのは、タンパク質でできている角膜を壊すから。高濃度で血管に入ると、タンパク質から成る血管や臓器に作用して中毒を起こし、死に至ることもある。
◆「内部犯行否定できず」院長謝罪
大口病院の高橋洋一院長が二十四日、病院前で初めて報道陣の取材に応じた。「八巻さんと遺族の方々に追悼の意を表します。一日も早い真相究明を願っている」と謝罪するとともに、「院内の可能性も必ずしも否定できない」と内部犯行を疑う心境を明かし、険しい表情を浮かべた。
八巻信雄さんや十八日以降に亡くなった八十~九十代の男女三人は、いずれも終末医療を受けており、八巻さんは会話もできないほど重篤だったという。死者が相次いでいたことには「入院患者は重症の人が多く、亡くなる方は多い」と受け止めていたという。
また「病院で殺人事件が起きたことをどう思うか」と記者から問われると「(各地の施設で若手職員による)高齢者の虐待があり、若い人の心情がよく理解できないところがある。今度のことに関与していないといいが」とも語った。
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