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よこたしげる-横田滋さん


よこたしげる-横田滋さん

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待つしかできない。

馬鹿にしか見えない大統領に調子を合わせる総理大臣の数々の不誠実な姿勢を見ていて、拉致被害者は余程トランプの方がましと思っただろう。馬鹿の一念岩をも通すからだ。

待つだけではなかった。出来ることは何でもやって頑張った。でも、純粋な気持ちと裏腹に、実態は政治利用されてきただけかもしれない。

市民感覚としては、無力感しか残らない。拉致被害者に限らず日本中に無力感といら立ちが漂っているだろう。

愚痴も言わずに頑張ってきた人への同情は、今は安倍政権への恨みに変わる。必要なことは本当に何もしてくれない。政治に口を出すことは余計な迷惑をかけるから黙っている。拉致被害者事業の利権に触ると考える人もいるだろう。

そういう中で黙々と頑張り耐えてきた横田さんには改めて頭が下がる。

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安倍晋三の敗北

横田滋さん死亡(87歳)のニュースは安倍晋三の敗北を伝えるものだ。

小泉純一郎にくっついて北朝鮮に足を踏み入れているのに、長期政権を我が物顔で維持しているのに、強硬路線と言う言葉で、何もしないことの言い訳をしたりして、無駄に時間ばかり使って、結局敗北した。今、何の誤魔化しも効かない。

安倍晋三は断腸の思いを口にした。詭弁、誤魔化し、はぐらかし、すり替え、 不誠実、を延々と続けてきた男の断腸の思いなど白々しいものにしか聞こえない。

今となって見れば、安倍晋三は拉致問題を政治利用するだけだったのではないか。選挙時の集票装置。

実際のところ、拉致関係者は自民党に入れるしかないと思ってきただろう。

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https://www.asahi.com/articles/DA3S14504598.html

(社説)横田滋さん死去 悲劇を繰り返させまい
 

2020年6月7日 5時00分

 娘にもう一度、会いたい。その願いも、ついにかなわなかった。

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父、滋さんが老衰のため亡くなった。その無念さに誰もが胸を痛めている。この悲劇を繰り返してはならない。

 北朝鮮の非道さを非難するとともに、日本政府には問題の解決へ向けた有効な方策を急ぐよう強く求める。

 めぐみさんが行方不明になったのは1977年。その後20年を経て、やっと国会で北朝鮮による犯行が表面化した。

 滋さんは、拉致被害者家族連絡会の代表に就き、妻の早紀江さんとともに全国で1400回以上の講演に駆け巡った。

 韓国人の拉致被害者家族らとも交流したほか、戦後の朝鮮半島に残された日本人妻の救済などにも心を砕いた。

 やさしい表情で親の情を貫徹する姿を通じて、北朝鮮問題の現実を知り、被害者に思いを寄せた人々は数知れない。重く、つらい人道問題の象徴的な存在だった。

 この訃報(ふほう)が映し出す、もう一つの現実は、拉致被害者と家族らの高齢化である。

 2月には有本恵子さんの母、嘉代子さんが亡くなった。未帰還の政府認定被害者の親で生存しているのは、早紀江さんと有本恵子さんの父の明弘さんだけになってしまった。

 拉致問題を「最優先課題」に掲げる安倍首相は、「断腸の思い」と語り、改めて解決への努力を約束した。だが、日朝協議は緒にすらついていない。

 原因が北朝鮮の不誠実な態度にあることは言うまでもない。

 02年の首脳会談で、当時の最高指導者、金正日(キムジョンイル)総書記は拉致の事実を認め、謝罪した。両国はその上で、国交正常化を視野に、拉致を含む包括的な解決をめざす日朝平壌宣言をした。

 だがその後、北朝鮮は拉致に関するずさん極まりない情報を相次いで出してきた。

 一方で安倍政権の側も、腰が定まっていない。「最大限の圧力」を唱えた後、米朝が接近すると、無条件の対話の呼びかけに転じる。そんな態度では北朝鮮を交渉に引き出せない。

 日朝間には、平壌宣言を踏まえて6年前に結んだ「ストックホルム合意」がある。拉致、遺骨問題を含む包括調査や制裁解除などが盛り込まれている。

 当時、横田さん夫妻がモンゴルで孫娘と面会したことで機運が生まれ、この合意ができた。滋さんの遺志を引き継ぐためにも、安倍政権はこの合意にもとづく交渉を再開させるよう全力を注ぐべきだ。

 拉致問題の真の進展は日朝二国間でしか望めないのだから。