ちねんまさる-知念捷さん
- 知念捷(17)さん
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- 沖縄の日の彼の朗読がニュースで流れたが、沖縄の言葉の奥から届けられる真実に感動させられる。しかし、その感動は無邪気な心地よいものではない。彼ら沖縄の若者までも苦しめている日本の政治への怒り、結果的にそういう政治を容認している国民の一人としての恥ずかしさだ。
- 戦争では地上戦の場所になり本土を守り、戦後も基地を一手に引き受けて本土の平和を支えてきた。何も知らずに繁栄を満喫してきた。こんな身勝手をいつまで続けるつもりなのだ。もっと本気で沖縄の声を聞くべきではないか。
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高3の知念さん、詩で平和問いかける 沖縄戦没者追悼式
吉田拓史2015年6月23日12時50分
追悼式では、沖縄県立与勝高校3年の知念捷(まさる)さん(17)が自作の詩を読み上げた。タイトルは「みるく世(ゆ)がやゆら」(今は平和でしょうか)。沖縄戦で夫を失った祖父の姉の体験にふれながら、戦後70年の世の中は「平和でしょうか」と問いかけた。
沖縄はいま
「今は平和でしょうか」沖縄戦没者追悼式 平和の詩全文
知念さんの詩は、県平和祈念資料館が募った「平和の詩」2274点の中から選ばれた。祖父の姉は、沖縄戦で夫を亡くしたが、その遺骨はみつからず、小石を墓に納めるしかなかった。その悲しみに「少しでも寄り添えれば」と題材にしたという。
〈夫の足跡を 夫のぬくもりを 求め探しまわった〉
〈彼女のもとには 戦死を報(しら)せる紙一枚〉
〈亀甲墓に納められた骨壺(こつつぼ)には 彼女が拾った小さな石〉
知念さんの祖父の姉は戦後、再婚しなかった。詩では、高齢になり、認知症を患いながらも夫を思う姿と、戦後70年の社会で進む戦争の記憶の風化とを重ねて表現した。
〈無慈悲にも自然の摂理は 彼女の記憶を風の中へと消してゆく〉
そして、〈刻まれた礎(いしじ)に 私は問う〉〈六月二十三日の世界に 私は問う〉〈戦争の恐ろしさを知らぬ私に 私は問う〉と繰り返した上で、〈しかし忘れてはならぬ 彼女の記憶を 戦争の惨めさを〉〈伝えねばならぬ 彼女の哀(かな)しさを 平和の尊さを〉と決意を示した。
知念さんは「それぞれの人が心に問いかけ、何かを感じ取ってもらえたら」と話している。(吉田拓史)
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- 少年が苦境を訴えているときに恥知らずの大人たち(百田尚樹、木村稔ら)はメディア批判を繰り広げていた。その少年の声をもかき消そうとするだろう。安倍総理の挨拶に対する抗議の声は現実に多くのメディアからは削除されていた。ニュースを注意して見れば平和に逆行する危険な兆候が毎日のように飛び込んでくる。
- それにしても、少年の詠い上げるような朗読は日本文化からかき消されていってしまった古い日本の魂が言葉に乗っているかのようだ。これが響かない人間は国会議員の資格などないだろう。それにしても、沖縄の心は素晴らしい。日本の宝だ。本気で大事にしなければいけない。
- 沖縄の心を踏みにじる百田尚樹の小説が全て愚かしい恥ずかしい言葉で埋めただけの空虚なものに感じられる。戦争礼賛者と共感はしたくないから二度と手にすることはない。
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「みるく世(ゆ)がやゆら」知念 捷
みるく世がやゆら
平和を願った 古(いにしえ)の琉球人が詠んだ琉歌(りゅうか)が 私へ訴える
「戦世(いくさゆ)や済(し)まち みるく世ややがて 嘆(なじ)くなよ臣下(しんか) 命(ぬち)ど宝」
七〇年前のあの日と同じように
今年もまたせみの鳴き声が梅雨の終りを告げる
七〇年目の慰霊の日
大地の恵みを受け 大きく育ったクワディーサーの木々の間を
夏至南風(かーちーべー)の 湿った潮風が吹き抜ける
せみの声は微かに 風の中へと消えてゆく
クワディーサーの木々に触れ せみの声に耳を澄ます
みるく世がやゆら
「今は平和でしょうか」と 私は風に問う
花を愛し 踊りを愛し 私を孫のように愛してくれた 祖父の姉
戦後七〇年 再婚をせず戦争未亡人として生き抜いた 祖父の姉
九十才を超え 彼女の体は折れ曲がり ベッドへと横臥する
一九四五年 沖縄戦 彼女は愛する夫を失った
一人 妻と乳飲み子を残し 二十二才の若い死
南部の戦跡へと 礎(いしじ)へと
夫の足跡を 夫のぬくもりを 求め探しまわった
彼女のもとには 戦死を報せる紙一枚
亀甲墓に納められた骨壺には 彼女が拾った小さな石
戦後七〇年を前にして 彼女は認知症を患った
愛する夫のことを 若い夫婦の幸せを奪った あの戦争を
すべての記憶が 漆黒の闇へと消えゆくのを前にして 彼女は歌う
愛する夫と戦争の記憶を呼び止めるかのように
あなたが笑ってお戻りになられることをお待ちしていますと
軍人節の歌に込め 何十回 何百回と
次第に途切れ途切れになる 彼女の歌声
無慈悲にも自然の摂理は 彼女の記憶を風の中へと消してゆく
七〇年の時を経て 彼女の哀しみが 刻まれた頬を涙がつたう
蒼天に飛び立つ鳩を 平和の象徴というのなら
彼女が戦争の惨めさと 戦争の風化の現状を 私へ物語る
みるく世がやゆら
彼女の夫の名が 二十四万もの犠牲者の名が
刻まれた礎に 私は問う
みるく世がやゆら
頭上を飛び交う戦闘機 クワディーサーの葉のたゆたい
六月二十三日の世界に 私は問う
みるく世がやゆら
戦争の恐ろしさを知らぬ私に 私は問う
気が重い 一層 戦争のことは風に流してしまいたい
しかし忘れてはならぬ 彼女の記憶を 戦争の惨めさを
伝えねばならぬ 彼女の哀しさを 平和の尊さを
みるく世がやゆら
せみよ 大きく鳴け 思うがままに
クワディーサーよ 大きく育て 燦燦(さんさん)と注ぐ光を浴びて
古のあの琉歌(うた)よ 時を超え今 世界中を駆け巡れ
今が平和で これからも平和であり続けるために
みるく世がやゆら
潮風に吹かれ 私は彼女の記憶を心に留める
みるく世の素晴らしさを 未来へと繋ぐ
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